シンセティックレザーの特長

 

シンセティックレザーとは?

シンセティックレザーとは天然皮革のような外観と質感を持つ、レーザー加工専用に開発された合成皮革です。
内部にカラー層が含まれており、レーザー彫刻で表層を削り取りカラー層を露出させることによって天然皮革よりもシャープで安定した色合いのコントラストで彫刻加工出来る、二層式の構造を持った素材となっています。
天然皮革では仕上がりをコントロールし難いレーザー切断加工も、低出力でキレイに簡単に仕上がります。

しかも天然皮革に比べて耐水性・耐久性が優れており、お手入れもしやすいのが特長。
素材の柔軟性を活かして湾曲した部分に貼り付けたり、反りが発生しない特長から広い面積の彫刻も実現可能で他の様々な素材と組み合わせたりといった多くの可能性を持った素材です。

湾曲した部分への貼り付け

アクリル板や二層板で作製したプレートの弱点は、その硬さから「湾曲した部分」へ貼付けが困難なことです。
無理に曲げて貼り付けようとしてしまうと、プレート自体にダメージを与えてしまい最悪割れてしまうなんてことも。
シンセティックレザーであればその柔らかさを活かし、湾曲した部分への貼り付けが容易に可能です。

 

市販のソープディスペンサーにシンセティックレザーで作製したラベルを貼り付けてみました。
作製方法はシンセティックレザーの裏面に両面テープを貼り付け、レーザーで彫刻・切断を行うだけ。
これだけでディスペンサーの360°をカバー可能なオリジナルデザインラベルの出来上がりです。
シールや印刷物とはまた違った高級感や、柔らかな手触りがディスペンサーを個性豊かに彩ります。

このようにアクリル板や二層板では諦めざるを得なかった湾曲した部分への貼り付けが容易な特長は、これまでレーザー加工でカバーしきれなかったアイテム作製に大いに役立つことでしょう。

 

貼り付ける対象の素材や形状にもよりますが、貼り付けに使用するのはLASER STYLEで販売している「HCP両面粘着テープ」がオススメです。
接着力が強力でしっかり固定可能で耐水性もバツグン。レーザー切断を行っても問題無い素材で作られていますので、板材やシートの裏に貼り付けてから素材ごとレーザー切断が可能です。

 

広範囲を彫刻

アクリル板や二層板はそのプレート全面積の半分以上といった広い面積を彫刻してしまうと、板材の特性やレーザー熱によりプレート表面に向けて”反り”が発生してしまいます。
その場合仕上がったプレートは不格好になりますし、何かに貼り付ける事も困難に。
また加工途中に反りが発生してしまうとレーザー加工機の動作部分に板材がぶつかってしまい、大変危険です。

対してシンセティックレザーシートは、その柔らかさからどれだけ広い面積を彫刻加工しても反りが発生することがありません。

 

例えばシンセティックレザーのピンクは彫刻をするとブラックカラーが露出する構造となっています。
これを大胆に広範囲彫刻加工をすると、通常はピンクのシート内にブラックカラーがデザインされるところ、ブラックのシートにピンクカラーがデザインされるという逆転の仕上がりになります。

上の写真はどちらも同じシンセティックレザーピンクで作製したものですが、彫刻面積を逆転させるだけで全く違った印象の仕上がりとなります。
鮮やかなピンクが基調で明るく活発なイメージが強い素材が、ブラックカラーが占める面積が増えることによりシックなイメージの中に鮮やかなピンクが含まれた上品で落ち着いた印象の素材に生まれ変わります。

ちなみに写真の迷彩柄は「黒、濃いグレー、薄いグレー、白」に色分けした加工データで彫刻しています。
レーザー機のメーカーや種類にもよりますが、色分けをすることにより「黒=深く彫る、濃いグレー=少し深く彫る、薄いグレー=浅く彫る、白=彫らない」といった形でレーザー機が認識し、1度の加工で写真のような色味の濃淡が再現された仕上がりを作り出せます。

 

ピンク以外にもティールやブルー等は従来のカラーとは大きく異なるイメージを持った素材に変化しますのでオススメです。
他にも彫刻すると光沢がある金属色が露出するブラック・ビンテージ等は、その光沢感を広い面積でデザインに取り込むことが可能です。

 

異素材との組み合わせ

シンセティックレザー単体でも様々な用途に使用出来ますが、異なる質感の他の素材と組み合わせることによってさらに多様な印象を持たせることが出来ます。
上記で挙げた「柔らかさ」という特性上、多種多様な場所・部分に貼り付けが可能なこととレーザー加工によりキレイで簡単に自由な形状に切断できることから、組み合わせる作業も非常に手軽に行えます。
一工夫加えることにより他との差別化・オリジナリティを加えることが可能です。

 

木材 × シンセティックレザー

木材との組み合わせはどちらの素材も持っている上品な印象と高級感を感じさせることが出来ます。
それと同時に落ち着いた雰囲気を醸し出すため、温かみのある空間やイメージを演出可能です。
どちらも天然由来の素材でどちらかというと柔らかなイメージを持っていますが、色の組み合わせによってはそのコントラストで少し雰囲気を引き締めたシャープさも表現可能です。

 

 

金属 × シンセティックレザー

金属の場合は装飾的なアンティーク感のある金属であればクラシックで上品な印象に、シャープでモダンなカラーのシルバー色金属であれば洗練されたスタイリッシュな雰囲気を演出出来ます。
本物の金属以外でも二層板の金属カラータイプと組み合わせれば、元々持つ金属カラーの高級感にシンセティックレザーの温かい印象をプラスすることが可能で、他には無いプレート等を作製可能です。

 

 

 

 

アクリル × シンセティックレザー

無機質な印象のあるアクリル板と組み合わせた場合、シンセティックレザーが持つ柔らかさと調和しどちらか片方の素材だけでは生み出せない雰囲気を出すことが出来ます。
透明アクリルの冷たさを逆の印象を持つシンセティックレザーが和らげ、シンプルではありますがコントラストの美しさが引き立つモダンでエレガントな雰囲気が演出出来ます。

 

 

二層板 × シンセティックレザー

シンセティックレザーと二層板フレキシブラス(0.5mm厚タイプ)を組み合わせたネームバッジです。
シンセティックレザーを彫り込んだところに二層板フレキシブラスをはめ込み、シンセティックレザーと二層板フレキシブラスがフラットになるようにして二層板の断面がなるべく隠れるように工夫しています。
金属調の二層板フレキシブラスと柔らかい印象のシンセティックレザーが組み合わさり、高級感のあるネームバッジに仕上がっています。

 

 

 

 

どの素材との組み合わせも、シンセティックレザーとそれぞれの素材の色や質感の相性によって生み出される印象は様々変わってきます。
是非色々な組み合わせを実践していただき、最高の組み合わせを見つけてみてください。

もちろんシンセティックレザー単体でもアイテム作りは可能です。
レーザー加工で自由に簡単に加工が出来るメリットを最大限に活かして構造に一工夫加えることにより、糸や針を使用せずに作れる袋状等の立体物といったアイテムづくりが実現します。

 

 

 

シンセティックレザーの柔らかさもアイテムづくりのヒントになります。
こちらはシンセティックレザーを2色組み合わせてケーブルクリップを作製してみました。
簡単にレーザー加工が可能&様々なカラー展開があるシンセティックレザーを使用すれば、多くのバリエーションを持ったアイテム展開が行えます。

別ページでは、シンセティックレザーを加工する際のポイントをご紹介します。
下記関連動画でも実際の加工の様子や、注意点をご紹介していますので是非チェックしてみてください。

 

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