MDFとはMedium Density Fiberboardの略で、木材の端材等を細かく粉砕して繊維状にし加圧成型した板材でホームセンター等でも手軽に手に入る、いわば木材と紙の中間のような板材です。
その製造方法から、地球にも優しいエコな素材とも言えます。
通常のMDFの表面は段ボールのような見た目でお世辞にもデザイン性があるとは言えませんが、その手に入りやすさと加工のしやすさからレーザー加工では良く利用される素材です。
LASER STYLEが扱っている「木目調MDFボード」はMDF材の両面に紙ベース素材の木目調シートが貼り付けられた、他では手に入らないオリジナル板材です。
木目調のシートはただの印刷では無く木材の凹凸まで細かく再現されており、パッと見た感じは本物の木材と間違う程の質感です。
木目調MDFボードと通常の木板材の大きな違い、それは「レーザー加工のし易さ」です。
通常レーザー加工は平らな面のみ加工が可能です。
しかし木板材は自然由来の素材ゆえ、気候や湿度等が原因で反りが発生してしまいます。
そうなってしまった木板材はレーザー加工に不向きです。
また木材の種類や部位によって硬さはまちまちですので、レーザー加工を行う場合はその都度加工設定を調整・変更しなくてはなりません。
木目の違いや色ムラ等もコントロールは出来ない為、安定した製品作りにはコツや熟練度が必要な素材と言えるでしょう。
対して木目調MDFボードは、MDFの製造行程からどちらかというと「紙」や「樹脂板」に近い性質を持っています。
その為木板材の欠点でもある「反り」が非常に発生しにくく常に真っすぐ平らな状態をキープしやすくなっています。
その為反りの問題から木板材ではご用意が難しい大きいサイズでのご用意が可能となっています。
種類や部位によって硬さが異なるということはありませんので、レーザー彫刻も切断もどちらも均一な仕上がりが期待出来るのも特長。
MDFの良い部分はそのままで、リアルな質感の木目調シートが施されている為「加工のしやすさ」と「木材の温かさ」を両立したハイブリットな素材です。
木材を加工する際に発生する「ヤニ汚れ」に関しても、通常の木板材ではそれが表面に付着してしまわないようにマスキングテープで表面を保護してレーザー加工が必要となりますが、こちらの木目調MDFボードは発生したヤニ汚れをアルコールでさっと拭き落とすことが可能です。
とても手間となる加工前・加工後のマスキング剥がしが必要ないのはレーザー加工をする上で大きなメリットとなっております。
オーク
「The 木材」といった印象のホワイトオークカラーを表現したカラーです。オークは英国では「KING OF FOREST」とも呼ばれ、家具等にも仕様される高級な木材として知られています。明るめの木目色ですので、高出力で彫刻してあげると彫刻面の焦げ色と白っぽい木目色のコントラストが美しい仕上がりとなります。
ウォールナット
高級木材の一つとして知られているクルミ科の木材を表現。深みのある濃い褐色が特長で色味が美しく、家具や楽器作りにも使用される木材のカラーです。その色合いから高級感や重厚感といった落ち着いたイメージの製品作りに役立ちます。低出力で浅めに彫刻をすると下地の明るいMDF色が露出するので濃いめの木目色とのコントラストが際立つ仕上がりとなります。
アッシュ
日本のタモ材の仲間で少し赤みを帯びた明るめのカラーが特長のアッシュ材をイメージした木目色です。そのナチュラルで絶妙な色合いは、明るすぎず暗すぎず、どのような他の素材の質感ともマッチする為、他素材との組み合わせにおいて差し色として優秀なカラーとなっています。浅めに彫刻をして同色の彫刻色にしても、深めに彫刻をして焦げ色とのコントラストを表現しても、どちらもマッチするカラーです。
エボニー
黒檀とも呼ばれる深い黒色のカラーが特長の高級木材をイメージしたカラーです。本物のエボニー同様、重厚感や高級感のある特異なカラーとなっていますので、その印象を活かした高品質な製品づくりに最適です。明るめの他のカラーと組み合わせると、その色合いのコントラストによりメリハリのある洗練されたイメージを持つものが生み出せます。
ホワイトウォッシュ
他のカラーとは違い、ホワイトウォッシュとは塗装の種類を差しています。木材の木目がうっすらと見える程度に白く塗装をする方法で、塗りつぶしの白い塗装とは違い木材本来の質感を活かした仕上がりが特長です。インテリアにも使用されるそのカラーは木の風合いのナチュラルな質感と清潔感のある印象を併せ持った、汎用性の高いカラーです。
OSB
オリエンテッド・ストランド・ボード(Oriented Strand Board)の略称で、薄く削った木片を接着剤で高温圧縮して作る合板のこと。その特徴的なパターンをイメージしたMDFボードです。そのユニークな表面表情を活かして、家具や棚板・インパクトの強いインテリア等にも利用可能。本物のOSBは硬さが板の場所により異なってくるためレーザー加工がしにくい材料ですが、こちらであれば均一で精度の高い加工が可能です。
OSBカラーを使用してCDラック用のインデックスプレートを作製してみました。
ステンシル用のフォントで切り抜くデザインを採用。
これにより両面に彫刻を施さなくとも、1回の加工で両面からアルファベットが認識出来るプレートに仕上がっています。
OSBのインパクトの強さとナチュラルさを両立している独特な印象が、設置する棚の雰囲気にアクセントとして活躍しています。
実用性とおしゃれを両立したプレートです。
アッシュ・エボニー・ホワイトウォッシュの3色を組み合わせた幾何学模様が特長のマウスパッドです。
アクリル板等の板材を使用するのではなく、自然でリアルな木目が入ったこの素材を使用することにより幾何学模様の奥行きがより一層表現された仕上がりになっています。
周りの枠や台座は、使用するマウスの雰囲気に近いクリアホワイトというアクリル板を使用。
木目調MDFボードとクリアホワイトの組み合わせが、柔らかでナチュラルな印象を生み出しています。
板材にスリット状の図柄で切断加工を施すことにより、立体的な「曲げ加工」を実現。
それを既成の照明器具と組み合わせることにより、ナチュラルな雰囲気が特長のオリジナル間接照明が出来上がりです。
天然の木板材でも出来なくはない加工方法ですが、天然由来の節や木目による硬さの違いなどで安定した仕上がりにするのが困難です。
木目調MDFであればレーザー加工による均一な仕上がりを得ることが出来ますので、このような曲げ加工を始めとした立体物の作製にも最適です。
MDFのレーザー加工のしやすさと、天然木板のようなナチュラルな質感を両立した木目調MDFボード。
高出力で高額なレーザー加工機でなくとも簡単にレーザー加工が可能な素材となっていますので、是非皆さんお試しいただき様々な作品・製品づくりに活かしてみてください。